大人になると革製品の魅力に惹かれ、一つは持っておきたくなりますよね。そんな革製品ですが、革(レザー)にはたくさんの種類があるのをご存知ですか?種類によってそれぞれ顔が違い特徴があります。
その中から今回は、世界三大レザーでもある「ブライドルレザー」をご紹介したいと思います。
乗馬文化のあるイギリスで生まれたレザー
ブライドルレザーの歴史は古く、イギリスに1000年以上前から伝わる伝統的な製法によって作られています。原皮には丈夫な成牛の皮を使っています。
「ブライドル」とは馬具のことで、乗馬文化のあるイギリスで馬具用に開発されたことが始まりでした。古くからイギリスではポロ競技が盛んでした。その頃は馬具に通常のレザーが使用されていたのですが、革を酷使する競技のため手綱が切れてしまうことが多かったのです。馬具は人と馬をつなぐ命にかかわる重要な道具だったため、ある貴族が強度のあるレザーを作らせました。これがブライドルレザーの誕生でした。
複雑で手間もかかる魅力あるレザー
ブライドルレザーの魅力といえば、皮革の持つストレートなまでの堅牢性と高級感ある美しい光沢です。革に何度もロウを塗りこみ、繊維を引き締めます。そのロウが表面に白く浮き出る「ブルーム」が使用するうちに取れ、それが美しい光沢へと変化するのです。
そして革が硬いため、縫製が難しく1つの製品として出来上がるまでにとても時間がかかります。約5か月を要する工程はとても複雑で手間もかかるため、職人にしか生み出すことができない極上のレザーなのです。
他にはないブライドルレザーの特徴とは?
ブライドルレザーの一番の特徴は、白い粉が浮き出ることです。これは、上でも紹介したように、革に何度もロウを染み込ませているため白い粉が浮き出てくるのです。繊維の細部まで染み込ませたロウが浮き上がってきたところを拭き取ると、深く美しい光沢が生まれます。
そして、堅牢性も特徴のひとつです。原皮の成牛も硬いのですが、そこへさらにロウを染み込ませることで強度を何倍にもしていきます。一般的な革には負荷をかけると耐えきれず裂けてしまうのですが、ブライドルレザーは耐えられる強度がありお手入れ次第では何十年も使用できる皮革なのです。
ブライドルレザーには天然皮革を使っているため、傷や色ムラ、血筋などが残っている場合もあります。天然皮革ならではの1つしかない表情を楽しむことができるのも特徴のひとつです。
まとめ
レザーと聞くとどれも一緒だと思ってしまうところもありますが、それぞれに表情があるのですね。革製品を購入する際も、同じ商品でも一つ一つ選びたくなりそうです。